2009年 5月のある日、雨が降り続く23時の夜、
弊社に一本の電話が鳴った。
もう少しで眠りにつく、そんなタイミングでの電話だった。
「雨がひどいよ、まったく。
ウチの屋根がうるさ過ぎて、眠れやしない。おたくで何とかならないだろうか。」
お客様はご自分の名前を名乗らぬまま、電話を切った。
私は、この電話が気になって、その後、眠ることができなかった。
雨はそのまま降り続いていた
「きっと、さっきのお客様は今も屋根がうるさ過ぎて、眠れないんだろう・・・。
屋根のプロとして、何とかしてあげたい・・・。
遮音性に優れた、屋根材を開発できればいい・・・。」
夜通し、私は思案した。
そして朝陽が昇る頃、一つの考えがまとまった。
いつも捨てている「廃瓦」等を利用して屋根材ができないだろうか。
それをそのまま疲れた屋根に施工したら、疲れた屋根は生き返りそうだ、またきっとこれなら、うるさい音も抑えられそうだ。
新商品「エコカパラ」が誕生した瞬間だ。
早速、「商品化」に向けた、私の挑戦がスタートした。
何軒か、実際に施工してみて、お客様のお声に耳を向けた。
何度か、商品改良も加えた。
実際に施工した屋根と、従来の屋根とで、比較検証・測定をも行った。
そして、環境に配慮した、「遮音性」「遮熱性」にも優れた素晴らしい商品が出来上がった。
「エコカパラ」。
これは、あの日、名前を知らないお客様の一本のお悩みから生まれた商品だ。
この商品にはお客様と私たちの「想い」が詰まっている。